心身医療と続発性無月経

  • 寺内 公一
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Secondary Amenorrhea in the Context of Psychosomatic Medicine
  • シンシン イリョウ ト ゾクハツセイ ムゲッケイ

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抄録

<p>「心身医学的な病態およびその治療が原因となる続発性無月経」 の代表として①機能性視床下部性無月経 (FHA) と②薬剤性無月経が, 「続発性無月経が若年女性の心理に与える影響」 の代表として原発性卵巣機能不全 (POI) が挙げられる. FHAでは, 心理社会的ストレス・体重減少・運動などが過度になった場合に視床下部におけるゴナドトロピン放出ホルモンのパルス状分泌が障害され, 無月経となる. 心理社会的ストレス・体重減少・運動が過剰になったものがそれぞれ 「心因性無月経」 「体重減少性無月経」 「運動性無月経」 であり, 最も難治性の病態は神経性やせ症 (神経性無食欲症) である. 薬剤性無月経としては, 定型抗精神病薬による高プロラクチン血症が原因となるものが多い. 一方でPOI女性の心理的負荷とその対処法についてはあまり関心が払われていないが, 血中エストロゲンの急激な低下そのものの気分への影響と無月経に対する不安の両者を考慮する必要がある.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 60 (6), 502-508, 2020

    一般社団法人 日本心身医学会

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