外傷診療における観察研究のすすめ

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  • 木村 昭夫
    独立行政法人 国立国際医療研究センター病院救命救急センター/救急科

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タイトル別名
  • AN INTRODUCTION OF OBSERVATIONAL STUDIES IN TRAUMA MANAGEMENT

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抄録

<p> 外傷診療の現場における臨床研究では, 群間の既知のバイアスを制御してアウトカム比較する観察研究が主流とならざるをえない. ただし, 科学的信憑性を確保するためには, 多くのサンプルサイズが要求されるし, 解析方法の技巧度も高くなる宿命にある. また, 既知のみで未知のバイアスを制御できないこと自体が, 観察研究の限界でもある. このような制約の中, 外傷診療を日夜担っている医師が観察研究を始めようとした際に, その敷居を低くし, かつ高い信憑性を確保するためのポイントについて, 把握しやすいよう本総説にまとめてみた. ここで指摘する点は初歩的なものばかりであるが, 数式で統計学を理解するには半年以上の月日がかかるであろう. そこで, これらの要点をまずは観察研究を行うためのお作法としてある程度鵜呑みにし, とにかく研究を始めてみることお勧めする. 統計理論は後まわしでよく, 結果を解釈する過程で理解も深まってくると思われる.</p>

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