Pembrolizumab初回投与後に劇症型心筋炎を発症して死亡した肺扁平上皮癌の1剖検例

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  • Fulminant Myocarditis After Initial Pembrolizumab Treatment for Squamous Cell Carcinoma of the Lung: an Autopsy Case Report

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抄録

<p>背景.Pembrolizumabは近年の肺癌治療において重要な薬剤であるが,多様な免疫関連有害事象の報告があり注意を要する.症例.60歳代男性.咳嗽と労作時呼吸苦を主訴に当院を受診した.右上葉肺扁平上皮癌cT4N1M1a cStage IVA(PD-L1:100%)と診断してPembrolizumabを導入した.day 13に発熱・倦怠感を生じ,day 15に心筋炎疑いで入院となった.利尿剤による加療を開始した.day 16より心原性ショックとなったためICUに入室した.補助循環装置と体外式ペースメーカーを挿入した.day 17からステロイド投与を開始したが,day 18に死亡した.病理解剖を行った.心筋内にCD8陽性リンパ球の浸潤を認め,免疫関連心筋炎として矛盾しなかった.横紋筋壊死像も認め,横紋筋融解症を合併していたことも確認された.結論.Pembrolizumab投与後の劇症型心筋炎を経験した.急激な経過をとる場合があるため,関係各科の連携を綿密にして早急に鑑別診断を行いながら,治療に当たることが重要である.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 60 (4), 335-340, 2020-08-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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