Śobhākaramitraによるhetuとanumānaにおける詩的美感

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  • The Poetical Beauty in <i>hetu</i> and <i>anumāna</i> according to Śobhākaramitra
  • The Poetical Beauty in hetu and anumana according to Sobhakaramitra

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抄録

<p>12世紀後半から13世紀前半までカシミール地方で活躍したサンスクリット語修辞学者ショーバーカーレシュヴァラミトラ(ショーバーカミトラともいう)は,自身の著作である『アランカーラ・ラトナーカラ』において,修辞手法としての推理(anumāna)と証因(hetu)について論じた.マンマタ(ca. 1050–1100)やルッヤカ(ca. 1125–1175)といった彼以前の修辞学者の理論と比べると,この二つの修辞手法を推理視点から分析することが彼の独創的な貢献といえる.彼にとって,両種の修辞手法に詩的美感が存在するのは,ある種の特殊な目覚ましさ(vicchittiviśeṣa)が含まれているからである.</p><p>修辞手法としての推理は一般的に詩的推理と名付けられる.マンマタとルッヤカがこの修辞手法に因の三相という属性が存在することを規定したことから,古代インドの論理学の強い影響力が窺える.ショーバーカミトラは詩的推理が自分自身のための推理の形を有すると規定していた.一方,修辞手法としての証因は詩的因と呼ばれる.ショーバーカミトラはこれが他人のための推理の形を有すると明示していた.彼によると,この二つの修辞手法の区別は以下の通りである.詩的推理が存在する場合,「私は知っている」など自分自身のための推理を暗示する単語がある.一方,詩的因が存在する場合,証因が文の形,あるいは語の形を取り,明示的に,あるいは暗黙に表される.両者の共通点は,未知の情報を伝えることである.また,他人への呼びかけは両者を区別する根拠にならない.</p>

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