粉瘤の小切開摘出術としての口唇形切開法の試み

書誌事項

タイトル別名
  • Lip-shaped incision as a small-incision method for the resection of epidermal cysts
  • フンリュウ ノ ショウセッカイ テキシュツジュツ ト シテ ノ コウシンケイ セッカイホウ ノ ココロミ

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説明

粉瘤(表皮嚢腫)の治療法として,小切開で摘出できる口唇形切開法を考案した.本法の特徴は2種類の切開を組み合わせることである.まず,粉瘤の表面に,毛孔開口部(へそ)を含んだ紡錘形に浅い切開を入れる.次いで紡錘形の中央を長軸に沿って深く切開して嚢腫壁を破り,その切開口から内容物を可及的に圧出する.その後,紡錘形切開部から嚢腫壁を連続的に剥離して摘出する.癒着や瘢痕化がなければ完全な摘出も可能である.炎症性粉瘤97例に本法を施行し,3年後の再発率は8例(8%)であった.炎症を伴わない粉瘤26例を本法で切除し,嚢腫壁に癒着のあった1例(4%)を除いて再発はなかった.口唇形切開法は,直径2cm以上の粉瘤に対し,直径の半分程度の切除で内容物の除去と嚢腫壁の全摘出を可能にする.炎症性粉瘤に対しても切開排膿と嚢腫壁除去を同時に行うことにより再発率を低く抑えうる可能性を示した.

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参考文献 (2)*注記

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