少子高齢化社会を見据えた社会保障のエコシステムにおける病院・薬局薬剤師の役割に関する考察

  • 高村 建人
    大阪大学大学院 薬学研究科 附属創薬センター 医薬品・医療機器規制科学
  • 鈴木 伸敏
    大阪大学大学院 薬学研究科 附属創薬センター 医薬品・医療機器規制科学
  • 橘 敬祐
    大阪大学大学院 薬学研究科 附属創薬センター 医薬品・医療機器規制科学
  • 近藤 昌夫
    大阪大学大学院 薬学研究科 附属創薬センター 医薬品・医療機器規制科学

書誌事項

タイトル別名
  • Roles of Pharmacists for Realizing the Sustainability of the Aging Society
  • ショウシ コウレイカ シャカイ オ ミスエタ シャカイ ホショウ ノ エコ システム ニ オケル ビョウイン ・ ヤッキョク ヤクザイシ ノ ヤクワリ ニ カンスル コウサツ

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説明

<p>現在の日本では人口減少や少子高齢化が急速に進展しており, 社会保障の充実と財政健全化は喫緊の課題である. 団塊の世代が75歳以上となる2025年, さらには高齢者数がピークを迎える2040年に向けて総人口は減少の一途をたどり, 2040年には総人口が11,092万人にまで減少し, 1.4人の現役世代が1人の高齢者を支えることになると予測されている. また, 社会保障給付費のうち国民医療費も, 2018年度の39.2兆円から2040年度の66.7~68.5兆円まで約1.7倍に上昇すると考えられている. 近年, 革新的な医薬品が開発・承認されて医療に貢献している一方で, その高額な薬価が問題視されている. それら薬剤料に大きな影響を及ぼす薬価の算定において, 類似薬がない新薬では原料費や製造経費のほかに, 販売費および一般管理費なども加算される. そこで本総説では, 現役世代が減少し高齢者数がピークを迎える2040年を見据え, 社会保障の持続可能性を確保するための医療費の削減に向けて, 薬価制度における製薬企業の費用構造をふまえた上で, 医療費の削減に寄与し得る薬剤師の役割について考察する.</p>

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