人工血管感染を伴う縦隔炎に対するNPWTを用いた創傷管理の有用性

  • 荻野 晶弘
    東邦大学医療センター大森病院形成外科
  • 中道 美保
    東邦大学医療センター大森病院形成外科
  • 武田 慶
    東邦大学医療センター大森病院形成外科
  • 高山 桃子
    東邦大学医療センター大森病院形成外科
  • 大西 清
    東邦大学医療センター大森病院形成外科
  • 亀田 徹
    東邦大学医療センター大森病院心臓血管外科
  • 藤井 毅郎
    東邦大学医療センター大森病院心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • Usefulness of Wound Bed Preparation Using Negative Pressure Wound Therapy for Mediastinitis with Artificial Graft Infection

説明

<p> 人工血管感染を伴う縦隔炎は治療に難渋し,死亡率も高い。その治療の原則は,感染した人工血管の除去・再置換手術が検討されるが,難易度や侵襲性などの問題から抜去が困難な場合も多い。われわれは,人工血管感染を伴う縦隔炎に対して,十分なデブリードマンを施行後,陰圧閉鎖療法(以下NPWT)を用いた創傷管理により感染制御を図り,二期再建手術を行っている。<br> 対象は10例(男性6例,女性4例),平均年齢60歳であった。人工血管の再置換を行えた2例以外では,人工血管の除去は全身状態などの問題で行えなかった。全身麻酔下にデブリードマンを施行し,二期再建手術までの創部感染のコントロールと創傷管理を目的にNPWTを適用した。全例で良好な肉芽増生,感染の鎮静化が得られた。再建方法は,筋弁による被覆を行った3例以外は,大網弁か大網弁と筋弁の併用であった。感染を認める人工血管は除去・再置換を検討するが,全身状態などの問題で困難な場合には,感染の鎮静化と十分な創傷管理が得られてから人工血管周囲を大網弁や筋弁で完全に被覆することが重要である。</p>

収録刊行物

  • 創傷

    創傷 11 (4), 169-175, 2020

    一般社団法人 日本創傷外科学会

被引用文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390567172584050560
  • NII論文ID
    130007921321
  • DOI
    10.11310/jsswc.11.169
  • ISSN
    1884880X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • Crossref
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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