精神障がいを持つ人を対象とする音楽活動の展開過程――専門職による実践を手がかりに――

  • 山田 敏恵
    医療法人仁精会 三河病院 愛知県立大学人間発達学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Development Process of Music Activities for Individuals with Mental Disabilities: Using Practice by Professions
  • セイシンショウ ガ イ オ モツ ヒト オ タイショウ ト スル オンガク カツドウ ノ テンカイ カテイ : センモンショク ニ ヨル ジッセン オ テガカリ ニ

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説明

<p>本論文の目的は,1950年から2016年の間に医療・福祉の場で行われた精神障がいを持つ人に対する音楽活動について,当該時期の社会的状況と携わった専門職との関係を踏まえ,どう位置づけられ,変化してきたかを明らかにすることである.方法として,医師・看護師・作業療法士・精神保健福祉士を読者とする専門職誌に掲載された音楽活動に関する実践記録と研究論文,関連記事の特徴をもとに音楽活動の展開過程を整理・検討した.当初医師の趣味と生活療法にあった音楽活動は精神障がいを持つ人の楽しみになり,生活改善,治療,リハビリテーション,退院支援に用いられるようになった.そして精神障がいを持つ人の理解促進や地域の「居場所」での活動など,その用途は広がっている.音楽活動は現在の音楽療法へ展開しただけでなく,専門職により当該時期の治療法や施策,支援体制のなかに柔軟に取り込まれ,継続して活用されてきたことが明らかになった.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 61 (2), 31-44, 2020-08-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

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