培養温度の変化がニワトリ始原生殖細胞に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of changes in culture temperature on primordial germ cells of chicken

抄録

<p>【目的】哺乳類の精子と卵子は始原生殖細胞(Primordial Germ Cell: PGCs)と呼ばれる細胞から分化することが知られている。PGCsは発生初期から出現するが,将来,生殖腺へと分化する組織で出現するわけではない。したがって,PGCsは生殖腺に発達する生殖隆起(Genital Ridge: GR)へ移動する必要がある。ニワトリではPGCsが発生の進行に従って血管内に進入し,血流に乗ってGRに向かって移動定着する。従来の生殖系列キメラの作出ではこの特性を利用し,レシピエント胚の血流中にドナーPGCsを移植することが主流であった。しかし,血流中のPGCs(cPGCs)は極少量で回収効率が悪いことが示唆されている。本研究では,ニワトリの精巣が哺乳類とは異なり体内にあるため,gPGCsの培養温度による影響を観察するとともに,GR由来のgPGCsが移植後もcPGCsと同じ様にGRに向かって移動するかを調べた。【方法】白色レグホン種の種卵を6日間孵卵して作出した胚のGRを採取し,各種血清(ヒナ,FBS,BS,ニワトリ)を各々添加した培地でGRの器官培養と分散培養を7日間行った。その後,抗SSEA-1抗体と抗CVH抗体を用いて蛍光免疫染色を行い,gPGCsの形態を詳細に観察した。なお,培養温度は34℃,37℃,42℃でそれぞれ行った。【結果】34℃,37℃,42℃でGRの分散培養を行ったところ,ニワトリPGCsは42℃の環境下でも存在していた。マウスと比較すると,42℃環境下ではニワトリのPGCsはより多く存在していた。したがって,ニワトリPGCsは多少高温でも適応できることが示唆された。SSEA-1とCVHの陽性細胞は各種培地間で大きな差はなかった。陽性細胞の動態は現在詳細に検討中である。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390567172588083968
  • NII論文ID
    130007925747
  • DOI
    10.14882/jrds.113.0_p-59
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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