腸回転異常を伴う多発結腸癌に腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Laparoscopy-assisted Right Hemi-colectomy for Double Colon Cancers with Intestinal Malrotation: A Case Report

この論文をさがす

抄録

<p>90歳男性,貧血の精査で近医を受診した.下部消化管内視鏡検査で右結腸曲に全周性の2型腫瘍を認めた.注腸造影で,横行結腸以外に上行結腸にもapple core signを認め,多発結腸癌の診断で腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した.術中所見で上行結腸と十二指腸の固定不良を認め,小腸の腹側に上行結腸が存在したため腸回転異常症のmalrotation typeと判断した.膵下縁をメルクマールに中結腸動脈右枝を切離し,上腸間膜動脈を末梢に追いながら回結腸動脈,右結腸動脈をそれぞれ根部で処理し,上腸間膜静脈を視認しながらD3郭清を腹腔鏡下に施行した.術後経過は良好で術後22日目に退院した.腸回転異常症に合併した大腸癌では,解剖学的位置異常のため腹腔鏡下のリンパ節郭清と血管処理に難渋することが多い.本症例は,上腸間膜動脈を同定して中枢側から血管処理を行うことで安全に手術を完遂可能であった.</p>

収録刊行物

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ