子宮頸部に扁平上皮病変と腺系病変が共存した子宮頸部上皮性腫瘍の 3 例

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  • Three cases of coexisting glandular and squamous lesions of the uterine cervix

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抄録

<p>背景 : 子宮頸部腺癌は子宮頸癌の約 20%を占めるとされるが, 子宮頸管内および深部子宮頸管腺に病巣が点在するため, 細胞診での偽陰性が問題となる. 今回われわれは子宮頸部に扁平上皮病変と腺系病変が共存した 3 例を経験したので文献考察を加えて報告する.</p><p>症例 : 症例 1. 38 歳, 1 妊 1 経. 妊娠時の腟部細胞診が HSIL であり妊娠中は保存的に経過観察し, 産後の細胞診再検でも HSIL が持続したため, コルポスコピー下生検を実施したところ CIN3 と診断. 円錐切除術後の組織診は AIS と CIN3 との共存であった. 症例 2. 51 歳, 2 妊 2 経. 過多月経で受診時の細胞診で AIS の判定. 円錐切除術後の組織診は AIS と CIN1 との共存であった. 症例 3. 43 歳, 2 妊 2 経. 検診 HSIL で紹介受診. 当院で再検した細胞診では ASC-H と AGC-NOS の判定. コルポスコピー下生検の結果は CIN3 の診断. 円錐切除術での組織診断は CIN3 と adenocarcinoma IA2 期との共存であった.</p><p>結論 : 子宮頸部腺系病変は円錐切除術後に初めて診断されることも多く, 術前に診断することは困難である. 細胞診で腺系病変が存在しなくてもほかの検査で腺系病変を疑う場合には, 腺系病変のみならず扁平上皮病変と腺系病変との共存も念頭におき精査し, HPV 検査も腺系病変の存在を疑う一助となる可能性がある.</p>

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参考文献 (11)*注記

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