上腕骨近位端骨折続発症に対するリバース型人工肩関節置換術の臨床成績

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説明

近年上腕骨近位端骨折に対するリバース型人工肩関節置換術(以下RSA)の良好な術後成績が報告されている.一方上腕骨近位端骨折に対し術後合併症が生じた骨折続発症では治療困難となる.そこで本研究の目的は骨折続発症に対する RSA術後成績を検討することである.対象は骨折続発症に対しRSAを施行し術後1年以上経過観察可能であった35例である.検討項目としてJOAスコア,UCLAスコア,Constantスコア,自動可動域として前方挙上,外旋,内旋とし術前後で評価,比較検討した.また,RSA術前手術既往なし群と既往あり群で比較検討した.骨折続発症全分類でRSA術後臨床成績,可動域は内旋を除き有意に改善していた.また,手術既往あり群となし群の比較では既往なし群の方が有意に良好な結果だった.本検討の結果,骨折続発症に対するRSAは有用と考えられたが,手術後に生じた骨折続発症に対するRSAは劣る傾向にあり,再手術例に対しては結節の保護等の工夫が必要と考えられた.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 44 (2), 302-305, 2020

    日本肩関節学会

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