リバース型人工肩関節置換術におけるScapular Notchingの発生頻度と臨床成績
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説明
【目的】リバース型人工肩関節置換術(RSA)の肩甲骨窩側のコンポーネントの緩みや臨床成績の低下を引き起こすとされるScapular notchingの本邦での詳細な報告は少ない.今回,RSAにおけるScapular notchingの経時的な発生頻度や程度,臨床成績との関連について検討した.<BR>【対象と方法】当院でRSAを施行し,術後1年以上経過観察できた164例, 167肩を後ろ向きに調査した. 平均年齢は76 ± 6.6歳(65~91), 男性62例, 女性102例で平均経過観察期間は28 ± 14(12~60)ヶ月であった. 臨床成績は可動域, JOA scoreで評価した.画像評価としてScapular notchingはSirveaux分類で評価し, Prosthesis Scapular Neck Angle(PSNA), Distalization Shoulder Angle(DSA), Lateralization Shoulder Angle(LSA)を計測し関連因子を検討した.<BR>【結果】Scapular notchingは経年的に発生頻度が増加傾向であり,Gradeの進行を認めた.可動域,臨床成績は経年的な低下を認めなかった.Scapular notchingの発生頻度は,BIO-RSA, On-lay,またLSAが高値で有意に低下した.<BR>【考察・結語】Scapular notchingの経年的な増加を認めたものの,短期的には臨床成績との関連は認めなかった.またScapular notchingの予防にBIO-RSAやOnlay-Typeのインプラントが有用であった.
収録刊行物
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- 肩関節
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肩関節 44 (2), 413-417, 2020
日本肩関節学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390567901491977088
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- NII論文ID
- 130007945013
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- ISSN
- 18816363
- 09104461
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可