腎機能正常な一般住民における血清尿酸値と心血管疾患発症の関連,性差について

  • 松浦 佑樹
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 田中 文隆
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 瀬川 利恵
    岩手医科大学医学部,内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科分野
  • 丹野 高三
    岩手医科大学医学部,衛生学公衆衛生学講座
  • 坂田 清美
    岩手医科大学医学部,衛生学公衆衛生学講座
  • 大澤 正樹
    特定医療法人盛岡つなぎ温泉病院
  • 大間々 真一
    岩手医科大学医学部,救急・災害・総合医学講座救急医学分野
  • 小笠原 邦昭
    岩手医科大学医学部,脳神経外科学講座
  • 旭  浩一
    岩手医科大学医学部,内科学講座腎・高血圧内科分野
  • 中村 元行
    岩手医科大学医学部,名誉教授

書誌事項

タイトル別名
  • Sex differences in the influence of elevated serum uric acid levels for cardiovascular risk in the general population with normal renal function

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抄録

血清尿酸値が心血管疾患発症の独立した危険因子であるかについては議論が分かれている.また血清尿酸値は慢性腎臓病があると二次的に上昇するため,血清尿酸値自体の評価を行うためには慢性腎臓病を除外する必要がある.そこで本研究は慢性腎臓病を除外した一般住民15,036人(男性5038人,女性9998人)において,血清尿酸値4分位と心血管疾患発症の関連,性差について解析した.平均追跡期間は8.8年で,男性で304件(脳卒中 248件,心筋梗塞/突然死 59件),女性で307件(脳卒中 280件,心筋梗塞/突然死 30件)の心血管疾患が認められた.確立された心血管リスクで調整してハザード比を解析したところ,男性では血清尿酸値と心血管疾患発症との間に明らかな関連はなかったが,女性ではベースラインの血清尿酸値が高いほど心血管疾患発症のハザード比が高かった.血清尿酸値は女性でのみ心血管疾患発症の独立した危険因子と考えられた.

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