小児泌尿器疾患における膀胱皮膚瘻の臨床的検討

  • 小林 大剛
    国立成育医療研究センター臓器・運動器病態外科部 泌尿器科
  • 長谷川 雄一
    国立成育医療研究センター臓器・運動器病態外科部 泌尿器科
  • 今井 悠
    東京慈恵会医科大学附属病院泌尿器科
  • 笠井 奏子
    国立成育医療研究センター臓器・運動器病態外科部 泌尿器科
  • 木村 高弘
    東京慈恵会医科大学附属病院泌尿器科
  • 頴川 晋
    東京慈恵会医科大学附属病院泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • CLINICAL OUTCOMES OF CUTANEOUS VESICOSTOMY IN PEDIATRIC UROLOGICAL DISEASES

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説明

<p> (目的) 小児泌尿器疾患で造設された膀胱皮膚瘻の有用性と合併症について後方視的に検討することを目的とした.</p><p> (対象と方法) 対象は2003年から2017年の14年間で膀胱皮膚瘻を造設した28例(男児9例,女児19例).有用性は,術前後の有熱性尿路感染症の罹患率について人年法で比較検討した.合併症は,有害事象とその頻度および再手術症例について集計し,臨床的背景について検討考察した.</p><p> (結果) 術前後の有熱性尿路感染症の人年法による罹患率は0.058から0.012回/人・年に減少し,統計的に有意差を認めた(p<0.001).合併症は膀胱粘膜の脱出が6例(21.4%)と最多であり,排便コントロールが不良の症例に多かった.再手術は膀胱粘膜の脱出の3例と狭窄の2例に施行され,すべてLapides法による再建で再発はなかった.</p><p> (結論) 膀胱皮膚瘻造設は,有熱性UTIの罹患率の低下に寄与し有用と考えられた.排便コントロールが不良であることは,膀胱粘膜の脱出のリスクファクターであると思われた.</p>

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参考文献 (11)*注記

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