インフリキシマブ BS(バイオ後続品)が 有効であった膿疱性乾癬の 3例

書誌事項

タイトル別名
  • Three Cases of Generalized Pustular Psoriasis Successfully Treated with an Infliximab Biosimilar

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説明

<p>症例 1 54歳,女性。初診10日前に右上腕,左手首に紅斑が出現した。全身に拡大し膿疱も出現したため,当科を紹介受診した。薬歴より急性汎発性発疹性膿疱症を疑い,ステロイド全身投与を行ったが無効であった。ステロイド治療の反応が乏しい点と,遺伝子検査で IL36RN 遺伝子の変異が判明した点より,膿疱性乾癬として加療する方針に変更した。インフリキシマブ BS(バイオ後続品)の投与で症状は軽快した。症例 2 36歳,女性。20歳頃に尋常性乾癬を発症し,近医皮膚科で加療されていた。初診10ヶ月前に小膿疱が出現し, 5 ヶ月前にアプレミラストの内服を開始したが,症状の改善を認めず当科を紹介受診した。膿疱性乾癬の診断で,顆粒球吸着療法とインフリキシマブ BS の投与により症状は軽快した。症例 3 66歳,男性。15歳頃に頭部の紅斑,鱗屑を自覚した。33歳頃に発熱と体幹に膿疱を伴う紅斑が出現し,近医皮膚科で膿疱性乾癬と診断されたが,エトレチナートの内服で症状は改善した。初診 1 ヶ月前より膿疱を伴う紅斑が再燃し,当科に紹介受診した。エトレチナートとインフリキシマブ BS の投与で症状は軽快した。インフリキシマブ BS は効果の外挿により乾癬への適応を取得しており,本邦での実臨床における膿疱性乾癬に対する有効性,安全性は不明である。顆粒球吸着療法やエトレチナートとの併用が寄与した可能性もあるが,当院ではすべての症例でインフリキシマブ BS が有効であった。 (皮膚の科学,19 : 190-196, 2020)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 19 (3), 190-196, 2020

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390567901493410048
  • NII論文ID
    130007931032
  • DOI
    10.11340/skinresearch.19.3_190
  • ISSN
    18839614
    13471813
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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