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- 加藤 辰夫
- 福井県立大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Fishery of Japan Sea and Regional Industry
- 日本海の漁業と地域産業--解題をかねて
- ニホンカイ ノ ギョギョウ ト チイキ サンギョウ カイダイ オ カネテ
- 解題をかねて
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抄録
<p>日本海の資源および漁獲量は減少傾向にあるが,漁獲規制によって資源管理が徹底できたズワイガニは漁獲量の回復傾向が鮮明である。ベニズワイガニ漁業の漁獲量については,漁法や沖合漁場の利用条件が異なるため漁獲量が減少しているが,外国を含めた適切な努力量水準が維持されるならば漁獲量の回復が可能であろう。</p><p>資源の減少とともに流通のグローパル化・広域化が進行し,地域流通の中にグローパル流通が侵入しているため,地域の水産物の単価が低迷している。日本海漁業の高鮮度流通の特徴を生かして高級な魚種の場合には,地域の供給力や商品特性に応じた地域ブランド化を進めることが必要である。また産地の地域流通機能を回復させるために地域密着型の量販店を含めた地場流通システムを再編整備し,地場の規格外の大衆的な商品も,鮮度の良さを生かした産地直売や地域の外食産業や観光産業と結びついた交流ピジネスによって高鮮度地場流通を促進することが可能である。</p><p>産地加工業は,消費需要の変化や川下の流通構造の変化に対応してゆくこと,そして同時に地域の原材料の特性や歴史や消費文化などの良いイメージをいかした商品を開発してゆくことが必要である。前浜の原材料を使用しつつ変化に対応するのは困難もあるが,そのための供給力,技術力,適切な販売経路を確保することによって対応してゆくことが必要になっている。日本海西部海域の資源の減少をふまえるならば, 「越前ガニ」や「若狭ぐじ」のような地域の希少な原材料を生かして高級ブランド化し,販路を限定して地域の内外へ供給することができる。他方,主要原材料を地域外から調達した商品の場合には,地域の優れた加工技術によって開発されたユニークな商品ならば,これも地域名産品として認められよう。地場の原材料を使った大衆的な加工品については,地域内部の量販店を含めた地域流通の販売網を構築することが重要である。</p>
収録刊行物
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- 地域漁業研究
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地域漁業研究 47 (2-3), 189-201, 2007-10-01
地域漁業学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390567901493891968
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- NII論文ID
- 130007950228
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- NII書誌ID
- AN10589408
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- ISSN
- 2435712X
- 13427857
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- NDL書誌ID
- 11075994
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可