酵素法ヘモグロビンA1c測定試薬「(RE)ノルディアN HbA<sub>1C</sub>」の基礎的検討

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  • Performance of enzymatic method for the measurement of HbA1c level using (RE) Norudia N HbA1c

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抄録

<p>最近,カタラーゼ活性低下のケースで酵素法によるヘモグロビンA1c(以下,HbA1c)測定試薬「ノルディアN HbA1C」(以下,従来試薬)の偽高値が報告された。今回,偽高値発生リスクを抑制するために改良された積水メディカル社の「(RE)ノルディアN HbA1C」(以下,本試薬)の基礎的検討を行った。同時再現性は変動係数0.42~0.68%,希釈直線性はNGSP値3.16~17.64%まで直線性が認められた。正確性は98.4~101.4%,オンボード安定性は28日までは良好な結果が得られた。遊離型ビリルビンは50 mg/dLまで,抱合型ビリルビンは50 mg/dLまで,乳びは3,000ホルマジン濁度まで,アスコルビン酸は50 mg/dLまではHbA1c測定に及ぼす影響は特に認められなかった。従来試薬との相関はn = 56で相関係数0.998と高く,回帰式はy = 1.000x + 0.010であり,極端な乖離検体も認められなかった。以上の結果より,基本性能が良好であることを確認した。また,従来試薬において偽高値となった2検体については,他社酵素法試薬と差は認められず,本試薬は偽高値抑制効果を有することが示唆された。本試薬は基礎的性能が良好であり,偽高値発生リスクも抑制されており,日常検査に有用である。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 69 (4), 646-651, 2020-10-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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