新生児の脈管奇形・腫瘍

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  • 藤野 明浩
    国立成育医療研究センター臓器・運動器病態外科部外科

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タイトル別名
  • Vascular malformation/tumor in neonate

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抄録

<p> 血管・リンパ管(脈管)奇形といわれている疾患群は胎生期に発生し,出生時にすでに様々な症状を呈し,治療に難渋することは少なくない.一方脈管由来の腫瘍は,出生前に急速に発育するものや出生後の早期に発生して急速に増大するものもある.これらの疾患は後遺症となる合併症を避けるため,また緊急に致死的な呼吸循環障害への対処が必要な場合もあり,周産期に正確に診断し,様々な診療科の介入を開始することも必要である.出生前診断の発達により,児の治療を進めやすい分娩法の選択や,出生後の診療チームの早期の形成ができるようになってきているが,病変における遺伝子変異の関連が示唆されており,疾患発生メカニズムの理解が深まるとともに新たな治療薬も開発されつつあり,今後も治療戦略は刻々と変化すると予想される.脈管異常のISSVA分類に基づいて,新生児期にみられる代表的な疾患,特に新生児期に治療を要する症例を例示しつつ概説する.</p>

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