排便障害を伴う脊髄損傷患者に対し腹腔鏡下人工肛門造設術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Laparoscopic Colostomy in a Patient With Defecation Disorder Due to Spinal Cord Injury
  • ハイベン ショウガイ オ トモナウ セキズイ ソンショウ カンジャ ニ タイシ フククウキョウ ゲニンコウコウモンゾウセツジュツ オ シコウ シタ 1レイ

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抄録

症例は73歳,男性。40歳の時に労災事故で脊髄損傷を患い,下半身麻痺で生活を送っている。以前より,腸管蠕動不良とS状結腸の通過障害による排便障害を来していたが,入院管理を要するまでに悪化したため,人工肛門造設術の適応となった。<br>  事故時に横隔膜損傷治療のための開胸・開腹術を受けており,腹腔内に癒着の存在が予想され,癒着剥離を要する可能性が高かった。また,脊髄損傷患者は腸管蠕動不良を来しやすく,術後麻痺性イレウス予防のために可能な限り手術侵襲を低減することを目的に,腹腔鏡下手術を選択した。<br>  手術は3ポートで行ない,横行結腸・大網・腹壁の癒着を剥離,横行結腸を授動して,右上腹部に横行結腸双孔式人工肛門を造設した。術後経過は良好で,術後第2日目に食事を開始し,その後は排便障害を認めていない。<br>  排便障害を伴う脊髄損傷患者に対する腹腔鏡下人工肛門造設術は,患者のQOLを改善する,有効かつ安全な術式と考えられる。

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