眼球運動障害を伴った視力回復不良の抗MOG抗体陽性視神経炎の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Severe Vision Restoration Case of Myelin Oligodendrocyte Glycoprotein-Antibody-Positive Optic Neuritis with Restricted Ocular Motility
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抄録
<p> 症例は74歳,女性.右眼の視野狭窄,眼痛,急激な視力低下を主訴に当科受診.初診時,視力は右眼手動弁,左眼(1.2).右)相対的瞳孔求心路障害(RAPD)陽性.全方位で右眼の眼球運動障害を認めた.両眼とも軽度白内障を認める他は,黄斑部,視神経,含め特記すべき事項はなかった.頭部MRI Gd脂肪抑制T1強調画像並びに脂肪抑制T2 強調画像にて右球後視神経から視交叉及び視索までの高信号域を認めた.</p> <p> 以上の所見から,右)視神経炎を疑いステロイドパルス(メチルプレドニゾロン1,000 mg,3日間)施行.経過中に,初診時採血から抗myelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)抗体陽性が判明した.抗MOG抗体陽性視神経炎ならびに炎症波及による眼窩先端症候群と診断した.ステロイドパルス後,眼球運動障害は速やかに改善したが,視力の改善は乏しかったため,ステロイドパルス2クール目を施行した.2クール目施行後の頭部MRIでは右球後視神経・視交叉・視索の高信号域は消失していたが,右眼視力は(0.02)までしか改善しなかった.抗MOG抗体陽性視神経炎は比較的視機能予後良好と報告されているが,本症例のような難治性視神経炎の症例が存在することに留意して治療に臨む必要がある.</p>
収録刊行物
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- 神経眼科
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神経眼科 37 (4), 413-417, 2020-12-25
日本神経眼科学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390568456340401792
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- NII論文ID
- 130007962401
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- ISSN
- 21882002
- 02897024
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可