タタキ振動を付与した音波振動歯ブラシのプラーク除去効果および歯周組織に対する有用性について

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  • The Efficacy of Dental Plaque Removal and Usefulness for Periodontal Tissue of a Sonic Toothbrush Equipped with Tapping Amplitude

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抄録

<p> 目的 : 口腔内疾患の発症や予防のために, 日々のブラッシングによるプラーク・コントロールはとても重要である. 効果的なプラーク・コントロールにおいて, 音波振動歯ブラシは有効であることが示されている. そこで今回, 新たに音波振動歯ブラシを用いて, プラーク除去効果について多角的に有用性を評価する. </p><p> 対象および方法 : 被験者は, 口腔清掃に関しての十分な知識をもち, かつ技能に関しても十分習熟していると考えられる男女年齢不問の12名とした. 被験歯は, Ramfjord 6歯 (16, 21, 24, 36, 41, 44または代替歯) でプラーク蓄積に著しく影響を及ぼす修復物がないものとした. 使用器具は, 新駆動方式の音波振動ハブラシDoltz (EW-DP51/Panasonic, 以下, 新ドルツ), 従来駆動方式の音波振動ハブラシDoltz (EW-DE25/Panasonic, 以下, 従来ドルツ) を使用した. 研究方法は, 初めに口腔内のプラーク除去を評価するために, プラークの点数化はRustogi Modification Navy Plaque Indexを用いて, 使用前後の測定を行った. 統計処理としてはWilcoxon検定を用いた. 次に歯周組織の状態を評価するために, 評価項目はProbing Depth (PD), Bleeding on Probing (BOP), Gingival Index (GI) を用いて, 使用前後の測定を行った. 統計処理としてはWilcoxon検定を用いた. </p><p> 結果・考察 : プラーク除去率は, 全部位において従来ドルツ群が新ドルツ群と比較して各部位で高い除去率を示したが, 両群には統計学的有意差は認めなかった. 歯周組織の状態の評価は, PD, BOP, GIの全パラメーターにおいて, 従来ドルツ群よりも新ドルツ群のほうが高い改善率を示した. また, 群内比較においても新ドルツ群は全パラメーターで使用前後の有意差を認めた (p<0.05). </p><p> 以上の所見から, 新ドルツは従来ドルツに比較して, 歯周組織改善効果が高いことが示された. 新ドルツ本体に新たに付加されたタタキ振幅により歯肉に適度な刺激が伝わることと, 口腔清掃に最適なマルチフィットブラシとの相乗効果が歯肉の改善に寄与したためと考えられる. 今後, 音波振動歯ブラシの使用により, う蝕・歯周病予防のプラーク・コントロールを行うことが期待できる.</p>

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