カナダの年金制度の歴史
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- 坂本 純一
- (公財)年金シニアプラン総合研究機構
書誌事項
- タイトル別名
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- 坂本 純一
抄録
<p><tt>カナダの公的年金制度は大きく</tt>2 <tt>つの部分から成り立っている。ひとつは</tt>1952 <tt>年に導入された老齢保障制度</tt> (OAS) <tt>と呼ばれる非拠出制の定額年金である。もうひとつは被用者や年収が一定以上ある自営業者などに適用される報酬比例年金で、ケベック以外の事業所に適用されるカナダペンションプラン</tt> (CPP) <tt>とケベックの事業所に適用されるケベックペンションプラン</tt> (QPP) <tt>がある。これらは</tt>1966 <tt>年 に導入された。</tt>OAS <tt>には</tt>CPP/QPP <tt>が導入された際に、所得保障補足年金</tt> (GIS) <tt>が付加された。</tt>CPP <tt>と</tt>QPP <tt>は完全に通算可能で、制度改正については連携することが確認されている。</tt> <tt>わが国の公的年金制度は、まず報酬比例年金が創設され、それから国民皆年金になったが、カナダの場合は国民皆年金が最初で、そのあと報酬比例年金が導入された。そして、その際、報酬比例年金給付が無い者、もしくは低い者には</tt>GIS <tt>が支給されることとなり、このことによってカナダの高齢者の貧困率は低い。</tt> 1980 <tt>年代からカナダの経済は不振に陥り、市場原理主義的なマネタリストの影響のもとに、一時、 社会保障制度は拡大路線から縮小路線に切り替わり、所得の高い年金受給者の</tt>OAS <tt>年金を削減する措置</tt> (clawback) <tt>が出てきたが、</tt>2007<tt>-</tt>8 <tt>年のリーマンショックによりマネタリストの影響が薄らぐと、この金融経済危機による高齢者の引退後の所得の落ち込みを防ぐために</tt>2016 <tt>年に</tt>CPP/QPP <tt>の給付水準の改善を行った。</tt> <tt>本稿では、</tt>OAS <tt>が創設されるまでのいきさつや、</tt>CPP/QPP <tt>導入の経緯、ベビーブーマーの引退とともに人口高齢化の見通しが厳しくなるなかで導入された</tt>CPP/QPP <tt>の</tt>1998 <tt>年の財政規律、</tt>2016 <tt>年の </tt>CPP/QPP <tt>の給付改善に触れながら、カナダの公的年金制度の歴史を概観する。</tt></p>
収録刊行物
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- 年金研究
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年金研究 14 (0), 1-, 2021-01-21
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390568456354948224
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- NII論文ID
- 130007974244
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- ISSN
- 2189969X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可