GBSスクリーニング検査における新規GBS増菌培地の基礎的検討とラテックス凝集法併用の有用性

  • 丹野 大樹
    福島県立医科大学附属病院検査部 福島県立医科大学臨床検査医学講座
  • 庄司 龍弥
    福島県立医科大学附属病院検査部
  • 坂本 有子
    福島県立医科大学附属病院検査部
  • 髙野 由喜子
    福島県立医科大学附属病院検査部
  • 大橋 一孝
    福島県立医科大学附属病院検査部
  • 豊川 真弘
    福島県立医科大学附属病院検査部 福島県立医科大学臨床検査医学講座 福島県立医科大学新医療系学部設置準備室
  • 山寺 幸雄
    福島県立医科大学附属病院検査部
  • 志村 浩己
    福島県立医科大学臨床検査医学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Sensitive and specific method of screening for Group B <i>Streptococcus</i> in pregnant women using a new enrichment broth combined with latex agglutination testing
  • GBS スクリーニング ケンサ ニ オケル シンキ GBS ゾウキンバイチ ノ キソテキ ケントウ ト ラテックス ギョウシュウホウ ヘイヨウ ノ ユウヨウセイ

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抄録

<p>Streptococcus agalactiae(Group B Streptococcus; GBS)は,母子垂直感染により新生児に重症GBS感染症を引き起こすことが知られている。本邦ではすべての妊婦に対してGBSスクリーニング検査が推奨されているが,従来の直接法では偽陰性がしばしばみられることから,より高感度な検査法が望まれている。今回,色調変化によりGBSの有無を推定できる新しいGBS増菌培地を用いた増菌法の有用性を,直接法と比較検討した。また,増菌法のサブカルチャーを行わずに増菌培養液からラテックス凝集法を併用し,直接GBSの検出が可能かどうかを検討した。GBS検出率は,直接法が13%(13/100),増菌法が18%(18/100)であった。増菌法ではGBSが検出された検体はすべて24時間後に黄色を呈し,陽性的中率は25.7%(18/70),陰性的中率は100%(30/30)であった。また,ラテックス凝集法は,サブカルチャー法で検出されたすべてのGBSを検出した。本増菌法は,直接法と比較してGBS検出率を5%増加させ,培養24時間後の色調変化によりGBS陰性を判定できる点で有用と考えられた。さらに,ラテックス凝集法は,サブカルチャー法と同等の精度でより短時間にGBSを検出でき,サブカルチャー法で判定困難なGBSの有無を客観的に判定できる点で,より有用な検査法であることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 70 (1), 15-22, 2021-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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