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- 瀧本 秀美
- 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 栄養疫学・食育研究部
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- 廣田 晃一
- 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 研究連携推進室
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- 笠岡 (坪山) 宜代
- 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター
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- 森田 明美
- 三重大学大学院医学系研究科公衆衛生学・産業医学分野
書誌事項
- タイトル別名
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- The Origin of Dietary Reference Intakes in Japan
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説明
<p>【目的】 日本の近代化において,「適切な食事摂取」を求める背景にどのような栄養学的課題が存在したのかを明らかにし,それが現在の「食事摂取基準」に至るまでの歴史と,今後のさらなる健康増進に向けての展望を記述すること。</p><p>【方法】 日本の食事摂取基準に関する論文,書籍,国の報告書,国立栄養研究所の出版物などを通じ,歴史的背景を整理した。</p><p>【結果】 日本人の食生活は長らく白米中心であったため,ビタミンB1 欠乏症である脚気が蔓延していた。多くの医師や栄養学者らはその原因究明に腐心し,人々の健康維持に必要な食事の基準を設定することを目指した。1877年には「日本人の保健食料」が策定された。1920年には国立栄養研究所が設立され,そこで栄養必要量の研究が進められ,さらに国際連盟とも研究協力を行った。第二次世界大戦中や終戦後早期では,国民の低栄養の予防が「栄養所要量」の主たる目的であった。その後多くの研究成果の積み重ねをもとに,2000年に「食事摂取基準」が策定された。</p><p>【結論】 現在の「食事摂取基準」は,人々の健康維持のための適切な栄養摂取量を追求した数々の歴史的研究成果の賜物である。人々の栄養評価,学校給食や病院給食の献立,そして食生活指針などの栄養政策の策定など,幅広く用いられるものである。今後は,「生涯を通じた栄養」の視点からの研究成果の蓄積により,次世代の健康維持へのさらなる発展が望まれる。</p>
収録刊行物
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- 栄養学雑誌
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栄養学雑誌 78 (Supplement), S60-S70, 2020-12-01
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390568617214910080
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- NII論文ID
- 40022454652
- 130007986943
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- NII書誌ID
- AN00023058
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- ISSN
- 18837921
- 00215147
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- NDL書誌ID
- 031224194
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- 本文言語コード
- en
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可