急性腹症で発症した後腹膜傍神経節腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Retroperitoneal Paraganglioma with Acute Abdomen
  • 症例 急性腹症で発症した後腹膜傍神経節腫の1例
  • ショウレイ キュウセイ フクショウ デ ハッショウ シタ アトバラマク ボウ シンケイセツ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は54歳,男性.冷汗を伴う腹痛が突然出現し,前医に救急搬送された.CTではTreitz靱帯周囲に内部出血を伴う11cm大の腫瘍を認め,十二指腸上行部や大動脈と接していた.腫瘍内出血を起因とした急性腹症と診断されて,当院へ転送となった.強い腹痛のため緊急手術も考慮したが,大動脈から直接栄養血管が流入していたことや,治療抵抗性高血圧の既往から傍神経節腫瘍が疑われた.腹痛は麻薬性鎮痛薬にて改善したため,精査を進めてから手術を行う方針とした.尿中カテコラミン値の上昇とMIBGシンチグラフィーにて腫瘍に一致したRI の異常集積を認め,傍神経節腫と診断した.術前血圧管理を行った後に摘出手術を施行し,術中,術後合併症は認めずに術後9日目に退院となった.傍神経節腫は術前診断されずに手術が行われると,周術期管理が不十分となって致死的な合併症を起こす可能性がある.急性腹症で発症する傍神経節腫は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.</p>

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参考文献 (4)*注記

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