複合ポリマー型地盤改良剤の開発

書誌事項

タイトル別名
  • Development of synthetic polymer grouting material
  • - Chemical grouting method effective even for alkaline ground -
  • -アルカリ性を呈する地盤にも有効な薬液注入技術-

抄録

<p>薬液注入による液状化対策を目的とした高分子系薬液(複合ポリマー型地盤改良剤)を開発し,薬液の安全性,改良強度,耐久性,遮水性を検討するとともに,実地盤への適用性を確認した。安全性については,サンドゲルを用いた溶出試験を行った結果,土壌汚染対策法の指定基準に適合した。また,魚類の急性毒性試験,甲殻類および動物プランクトンの急性遊泳阻害試験,藻類および海草の生長阻害試験を行い,本薬液は水生生物に及ぼす影響が非常に小さいことを確認した。改良強度については,本薬液により作製したサンドゲルは,中性の砂を用いた場合もアルカリ性(pH 9~12)に調整した砂を用いた場合も100~500 kN/m2の一軸圧縮強さ,1.0程度の液状化強度比RL20が得られることを確認した。長期耐久性については,サンドゲルを80℃の高温下に静置する分解促進試験を行い,180日(30年相当)経過しても一軸圧縮強さの低下が認められないことを確認した。また,同様の試験をpH 11の調整砂を用いて行ったところ,160日(28年相当)経過しても一軸圧縮強さの低下が認められなかった。本薬液によるサンドゲルの透水係数は,用いた薬液濃度の範囲(6~18%)では1×10-6~1×10-9 cm/s(1×10-8~1×10-11 m/s)であった。これらの基礎的な物性等を確認後,臨海部の埋立地で本薬液を用いたフィールド試験を行った。その結果,改良体の半径は計画半径を確保し,改良強度は設計基準強度を満足した。</p>

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参考文献 (12)*注記

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