Dual Energy CT におけるファントムを用いた血液の物質弁別に関する基礎的検討
書誌事項
- タイトル別名
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- Basic Study on Blood Material Decomposition Using Phantom in Dual Energy CT
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説明
<p>重要な要点</p><p>1) 本研究のdual energy computed tomography(DECT)では,3-material decomposition 法に関する解析がユーザーに開放されているため,各種パラメータの関係性およびその原理を解明することができる.</p><p>2) 仮想ヨード除去画像virtual non-contrast(VNC)及び仮想カルシウム除去画像virtual non-calcium(VNCa)は,仮想単色X 線画像virtual monochromatic imaging(VMI)をベース(basis image)として作成されるため,画質はVMI のノイズ量に大きく左右される.</p><p>3) パラメータ設定画面に入力するVMI の高keV と低keV のエネルギー域は広げるほどいいわけではなく,VNC 及びVNCa のCT 値及びstandard deviation(SD)値のバランスを考慮した上で設定することが重要である.</p><p>4) 外挿するヨードとカルシウムの傾きは,入力した2 種類のVMI のエネルギーによって既知の傾きとして求められるため,安易に物質弁別効果のために変更してはいけない.</p><p>5) プロットする基準物質の組合せもVNC 及びVNCa のCT 値及びSD 値のバランスを考慮した上で設定することが重要である.</p><p>要旨</p><p>【目的】本研究は3-material decomposition 法に関する画像解析パラメータの関係性及びその原理を解明する.そして,パラメータの調整に着目し,血液・ヨード及び血液・カルシウムにおけるVNC 及びVNCa の画質改善及び弁別効果の向上を目的とした.</p><p>【方法】マルチエナジーCT ファントムで撮影を行った.挿入物は3 種類の血液,2 種類の血液+ヨードの混合物,2 種類のカルシウム,脂肪,水,脳,合計10 本の固体ロッドとした.DECT で取得されたraw data より,40〜135 keV の範囲でVMI を作成した.画像解析パラメータの検討は,①VMI におけるエネルギー毎の各固体ロッドのCT 値とSD 値を計測した.②計測された結果から40〜80 keV の範囲内で高keV と低keV の組合せを変化させ,VNC 及びVNCa を作成し,対象とする固体ロッドのCT 値及びSD 値を計測した.③最適なVMI のエネルギー組合せ下での各基準物質の組合せを変化させ,VNC 及びVNCa を作成し,対象とする固体ロッドのCT 値及びSD 値を計測した.</p><p>【結果】①全ての固体ロッドにおいて,60 keV 時のVMI のSD 値が最も低かった.②最適なVMI のエネルギー組合せは60 keV と70 keV であり,その際のヨードおよびカルシウムの傾きはそれぞれ0.70,0.78 であった.③最適な基準物質の組合せは脳と血液であった.</p>
収録刊行物
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- 日本CT技術学会雑誌
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日本CT技術学会雑誌 9 (1), 1-, 2021
特定非営利活動法人 日本CT技術学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390568772520796416
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- NII論文ID
- 130007991705
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- ISSN
- 24342750
- 24342769
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可