社会資本は環境行動促進に有効か?――情報獲得と社会資本の二側面からの考察――

  • 青柳 みどり
    独立行政法人国立環境研究所社会環境システム研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • An Analysis of the Effective Factors for Promoting Pro-environmental Actions from the Information Gain and Social Capital Point of View
  • シャカイ シホン ワ カンキョウ コウドウ ソクシン ニ ユウコウ カ ジョウホウ カクトク ト シャカイ シホン ノ ニ ソクメン カラ ノ コウサツ

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説明

<p>社会資本(Social Capital)は,環境行動促進に有効なのであろうか.我々は,これについて,日本全国成人を対象とした環境問題に関する世論調査を行い,分析を行ったので,その結果を報告する.調査は2006年3月に日本全国の成人男女を対象に実施した.その結果,社会資本に関連する項目は,環境行動の中でも他者への働きかけにおいて多くの行動で正の関連があった.他者に働きかける行動,消費者行動とそれぞれ8つと4つの行動をとりあげた.他者に働きかける行動では全てで「団体活動参加レベル」が正であったが,消費行動では「有機栽培のものの購入」のみであった.他者への働きかけは,まさに社会的な側面が強く他者とのネットワークが大きな意味を持つが,消費行動は,きわめて個人的な行動であるという側面が強いことが推測された.全体的に有意な場合が多かったのが,「環境問題について友人や家族と頻繁に話すか」ということであった.環境問題について頻繁に他者と話す環境にあるということ自体が環境行動を促す大きな要因であり,それは多くのタイプの環境行動に通じる促進要因であると考えられる.多くの行動で新聞を情報源とすることの有効性が明らかになった.またインターネットを情報源としていることも有効であった.テレビは,ジャンルごとにみた場合にはいくつかは正の効果を示した.また,社会的有効性感覚が正に有意となった,社会的行動について,この有効性感覚を持ちうるかどうか,が環境行動を促す重要な要因の一つでもあることが言えそうである.</p>

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