O-140 外傷性肩腱板断裂後Pseudoparalysis を呈した症例に対する保存療法の一例

  • 安江大輔
    医療法人社団友志会 石橋総合病院 リハビリテーション科
  • 押山徳
    医療法人社団友志会 石橋総合病院 リハビリテーション科
  • 伊沢諒
    医療法人社団友志会 石橋総合病院 リハビリテーション科

説明

<p>【目的】自動挙上制限をきたすPseudoparalysis は大きな腱板断裂の合併症として生じることがあり,患者の日常生活に大きな支障を与える.今回,右肩腱板広範囲断裂症例の外来リハビリテーションにおける保存療法により効果を得られた症例につき,検討を加え報告する.</p><p>【症例提示】73 歳男性,2016 年3 月2 日に転倒受傷し疼痛出現,挙上困難となり3 月10 日に当院の外来受診し肩腱板三腱断裂(棘上筋,棘下筋,肩甲下筋)と診断を受ける.保存療法にて同日より外来リハビリテーションを週3 回程度の頻度で実施した.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】対象者にはヘルシンキ宣言に基づき,あらかじめ本研究の内容・個人情報の保護を十分に説明し,参加に同意を得て行った.</p><p>【経過と考察】理学療法開始時の主訴は疼痛と挙上困難であった.疼痛は安静時・夜間時NRS6,運動時NRS8 であ</p><p>った.転倒の影響で上肢から手指にかけての内出血,腫脹が認められた.自動挙上35°P,結帯L5P であった.急性期では損傷部位の炎症の沈静化と拘縮予防を目的にポジショニング,上肢の腫脹・浮腫の管理,生活動作指導,肩甲胸郭関節のROMex を中心に実施.炎症沈静後は他動的な肩関節のROMex,残存腱板筋の選択的強化,三角筋の強化,肩甲骨周囲筋の機能強化,姿勢・動作指導を中心に実施した.理学療法開始後1 ヶ月半で,安静時・夜間時NRS0,運動時NRS2,になり自動挙上145°,結帯L2 となった.挙上が可能になった要因として炎症症状の沈静化と,残存腱板筋と三角筋・肩甲骨周囲筋の協調的な活動により新たなフォースカップルが形成され肩甲上腕リズムの再構築が図れたからだと考える.保存療法により機能を獲得しても使用度合により断裂が拡大し日常生活に支障をきたす可能性があるため医師と連携をとりながら状態を観察する必要がある.また断裂拡大を最小限におさえ,出来るだけ長期にわたり日常生活での機能を維持することを目指していきたいと考える.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390568838437633152
  • NII論文ID
    130007997383
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.35.0_140
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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