クロルヒドロキシアルミニウムの制汗効果に及ぼす共存成分の影響

  • 佐野 智生
    ライオン株式会社 研究開発本部 ビューティケア研究所
  • 白江 航
    ライオン株式会社 研究開発本部 ビューティケア研究所
  • 尾本 百合子
    ライオン株式会社 研究開発本部 ビューティケア研究所
  • 長嶋 慎一
    ライオン株式会社 研究開発本部 ビューティケア研究所
  • 森垣 篤典
    ライオン株式会社 研究開発本部 先進解析科学研究所
  • 柿澤 恭史
    ライオン株式会社 研究開発本部 先進解析科学研究所
  • 池西 岳樹
    ライオン株式会社 CSV推進部環境戦略室

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Coexistent Components on the Antiperspirant Action of Aluminium Chlorohydrate
  • クロルヒドロキシアルミニウム ノ セイ カン コウカ ニ オヨボス キョウソン セイブン ノ エイキョウ

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説明

<p>猛暑日の増加などの環境的要因や,エチケット意識の高まりなどの心理的要因により,ニオイだけでなく,汗を抑える効果が高い制汗剤のニーズが高まっている。制汗効果向上に向け,制汗成分クロルヒドロキシアルミニウム(ACH)の制汗メカニズムに着目し,従来技術とは異なるアプローチとして,ACHのゲル化促進技術の開発を目指した。ACHは低pH領域では水に溶解した状態で存在するが,汗腺で汗と反応し,pHが上昇することでゲル化する。われわれはより低いpHで多くのゲルが生成されることが,制汗効果向上に繋がると考え,ACHのゲル化pHに影響を与える共存成分を探索した。その結果,汗中に含まれる無機酸によって,ゲル化pHが低下することを見出し,さらに探索を続けた結果,無機酸の中でも硫酸イオンが最もゲル化pHを低下させることを明らかとした。硫酸イオン共存下で,制汗効果を測定した結果,ACH単独に比べ,有意に向上することを新たに見出した。硫酸イオン共存下では,汗のpH領域におけるゲル生成量の大幅な増加,またSAXS測定より,密なゲル構造体の形成が示唆され,汗孔の閉塞性が向上したことで制汗効果が向上したと推察された。</p>

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参考文献 (1)*注記

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