中年独身者(40~64歳)の老後生活設計:特集にあたって

DOI
  • 高山 憲之
    公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構 理事長 一橋大学名誉教授

抄録

<p><tt> 日本では</tt>1990<tt>年以降、男女ともに生涯未婚率が一貫して上昇しており、その割合は</tt>2040<tt>年には男性が</tt>30<tt>%、女性が</tt>19<tt>%になるとそれぞれ推計されている。最近では親と同居する中年未婚者も多い。</tt></p><p><tt> 中年未婚者の生活実態や意識、老後の生活設計などは、いったいどうなっているのだろうか。この点に関する調査や研究は、現在、決定的に不足している。関連データが、ほとんど蓄積されていないからである。</tt></p><p><tt> 公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構では、その前身の1つである財団法人シニアプラン開発機構の時代から、中年の未婚女性に注目し、その老後設計等について</tt>2000<tt>年度から5年おきにアンケート調査を実施してきた。そして、その延長上で</tt>2020<tt>年度には第5回目の調査をインターネット調査として実施した。第5回調査では中年の未婚男性も前回同様に調査対象に含めた。また、調査対象者の年齢上限を</tt>59<tt>歳から</tt>64<tt>歳へ引き上げた。さらに、独身生活について感じること、</tt>COVID-19<tt>によって受けた影響、の2つについても今回、追加して調べた。有効回答数は男女合計で</tt>2500<tt>サンプルであった。</tt></p><p><tt> 本誌第</tt>15<tt>号は上記の第5回「独身者(</tt>40<tt>~</tt>64<tt>歳)の老後生活設計ニーズに関する調査」に関する特集号である。分析論文は丸山桂氏、大風薫氏、藤森克彦氏、および平河茉璃絵氏の4人が執筆している。また、第5回調査の調査目的と方法、調査結果の概要、過去調査との比較については、いずれも平河茉璃絵氏が解説している。</tt></p><p><tt> 今回の調査では、就業意向がある人の7割以上が</tt>65 <tt>歳以降も働きたいと回答していることをはじめとして、注目すべき調査結果が少なくない。また、</tt>60<tt>~</tt>64 <tt>歳層で金融資産を</tt>2000 <tt>万円以上保有している人の割合は男女とも</tt>34<tt>%であった。</tt></p><p><tt> なお、</tt>COVID-19 <tt>の影響については、今回の特集号に先立って、公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構が発出したプレスリリース(</tt>2020 <tt>年</tt>7 <tt>月</tt>31 <tt>日付)で、その回答結果を公表した。その詳細は以下の</tt>URL <tt>を参照されたい。</tt></p><p>https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/2020073pressrelease.pdf</p>

収録刊行物

  • 年金研究

    年金研究 15 (0), 1-1, 2021-03-19

    公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390568916164404736
  • NII論文ID
    130008000536
  • DOI
    10.20739/nenkinkenkyu.15.0_1
  • ISSN
    2189969X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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