我が国林業の素材生産における生産性分析

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  • Productivity Analysis of Logging Industry in Japan
  • ワガクニ リンギョウ ノ ソザイ セイサン ニ オケル セイサンセイ ブンセキ

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抄録

我が国林業における生産性向上は長期にわたる課題である。それに対して,生産性を検討する際の測度としては労働生産性が一般的で,複数の生産要素が投入される素材生産においてはより総合的な指標による生産性の把握が望まれる。そこで, 本研究では我が国林業の素材生産における生産性の推移とその地域間格差を計量的に把握することを目的とし,林野庁業務資料である1990~2017年の調査データを用い,主伐と間伐に分けて全要素生産性 (TFP) を分析した。全国平均値データを用いたTFPの分析ではTörnkvist生産性指数,地域別データを用いたTFPの分析には循環性を有するMultilateral生産性指数を適用した。その結果,主伐のTFPは1990~2017年において年平均1.35%でプラス成長,間伐のTFPは2006~2017年において年平均1.07%でマイナス成長であった。TFPの地域間格差については,主伐・間伐ともに北海道,東北,九州が2017年におけるTFP水準の上位地域となった。また,TFP変化の要因として,我が国素材生産における規模の経済性を2016年と2017年のデータによるコブ・ダグラス型生産関数の推計を通じて検討した結果,規模に関して収穫一定であった。

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