ワクチンを考える:Hibワクチン,肺炎球菌ワクチン,百日咳ワクチンの効果と課題

  • 菅 秀
    独立行政法人国立病院機構三重病院

書誌事項

タイトル別名
  • Effects and future issues of Hib vaccine, pneumococcal conjugate vaccine and pertussis vaccine
  • ワクチン オ カンガエル : Hib ワクチン,ハイエン キュウキン ワクチン,ヒャクニチゼキ ワクチン ノ コウカ ト カダイ

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説明

<p>細菌性髄膜炎,敗血症などの侵襲性細菌感染症は,小児における最も重篤な感染症の一つである。主要起因菌はインフルエンザ菌type bおよび肺炎球菌である。日本でもワクチン導入後,これらの細菌による侵襲性感染症は激減した。しかしながら,ワクチン非含有血清型の肺炎球菌による罹患率増加(血清型置換)が起こった。今後も病原体解析と全数サーベイランスを継続することが非常に重要である。血清型置換に対応可能な次世代型ワクチンの開発も待望される。</p><p>ワクチン予防可能疾患の中で,国内外でまだ十分に制圧できていない疾患の一つが百日咳である。無細胞百日咳ワクチンにより患者数は大きく減少したが,近年では学童期以降の患者割合が増加し,依然として乳児重症例死亡例も報告されており,その対策は喫緊の課題である。学童期以降の追加接種,乳児に密接に接触する可能性のある成人,特に妊婦に対するワクチン接種を進めるべきである。</p>

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