左手背に生じたG-CSF産生有棘細胞癌の1例

  • 江藤 博文
    宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
  • 持田 耕介
    宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
  • 林 みゆき
    宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
  • 渡邉 章
    宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野
  • 天野 正宏
    宮崎大学医学部感覚運動医学講座皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Squamous cell carcinoma of the skin of the left hand producing granulocyte colony-stimulating factor : A case report

抄録

<p>67歳,男性。約5年前から左手背に腫瘤性病変を自覚し,出血・悪臭等あったが自己管理されていた。意識消失しているところを発見され,ショック状態であり当院へ救急搬送された。初診時,左手背に有茎性でカリフラワー様に隆起する約10×8cm大の腫瘤を認め,脆弱で易出血性であった。単純胸腹部CTで明らかな出血源を認めず,左手背病変からの出血による出血性ショックと考え当科に緊急入院とした。部分生検を施行し病理組織学的に有棘細胞癌と診断した。入院時WBC 54,800/μLと異常高値を認めていたが,骨髄穿刺では異常所見を認めなかった。術前検査として施行したFDG-PET/CTで骨髄に異常集積を認め,慢性貧血による骨髄機能亢進を反映しているものと考えた。左前腕切断術施行後の採血でWBC 9,200/μLと正常化を認め,血清G-CSF値は術前403 pg/mLと高値を示していたが術後69.5 pg/mLと著明に低下し,また抗G-CSF抗体の免疫染色で腫瘍細胞に陽性の所見を認め,G-CSF産生有棘細胞癌と診断した。</p>

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

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