クリーピングベントグラス品種「シーワイツー」の育成

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タイトル別名
  • Breeding of a creeping bentgrass cv. CY-2
  • クリーピングベントグラス ヒンシュ シーワイツー ノ イクセイ

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抄録

クリーピングベントグラスの親栄養系の一次選抜は, 無農薬管理下の品種比較圃場で行った。選抜前年の夏季は猛暑となり, また, 無防除のためダラースポット病, ブラウンパッチおよびシバツトガの大量発生により多くの個体は枯死したが, 生存した株を対象に冬季のアントシアニン発現程度が明らかに低い146栄養系統を選抜した。最終的に, ダラースポット病耐病性およびブラウンパッチ耐病性が高く, 冬季のアントシアニン発現性の低い9栄養系を選抜した。この9栄養系とダラースポット耐病性が高く, 冬季のアントシアニン発現性が低いことから既に分離していた1栄養系を加えた10栄養系を用いて, 5~6の親栄養系の組み合わせにより「CY-I」, 「CY-II」, 「CY-III」の3合成系統を育成し, 採種性および3合成系統のダラースポット病耐病性, ブラウンパッチ耐病性およびアントシアニン発現程度について調査した。3合成系統は, 供試した既存の対照品種に比べてダラースポット病耐病性が高く, 冬季アントシアニンの発現が低かった。これらの結果に基づいて, 3合成系統の中で採種量の多かった「CY-II」にダラースポット病耐病性が高い傾向を示した「CY-III」の1親栄養系「339」由来の合成第1代を加えた個体集団から合成品種「CY-2」を育成した。育成された「CY-2」は, 既存品種である「L-93」, 「ペンA-1」や「ペンクロス」よりもダラースポット病およびブラウンパッチに対する耐病性は高く, 冬季のアントシアニンの発現性は低かった。

収録刊行物

  • 芝草研究

    芝草研究 39 (2), 139-147, 2011-03-31

    日本芝草学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (15)*注記

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