「してもの会」におけるRespectful Racial Dialogue の実践

書誌事項

タイトル別名
  • Respectful Racial Dialogue in "Group Shitemo"
  • 「してもの会」におけるRespectful Racial Dialogueの実践 : 在日コリアンと日本人の「分断から動き出す交流」
  • 「 シテ モノ カイ 」 ニ オケル Respectful Racial Dialogue ノ ジッセン : ザイニチ コリアン ト ニホンジン ノ 「 ブンダン カラ ウゴキ ダス コウリュウ 」
  • Interaction between Korean–Japanese Minorities and the Japanese Arising from Facing Mutual Differences
  • 在日コリアンと日本人の「分断から動き出す交流」

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抄録

本研究の目的は,在日コリアン(以下,在日)の悩みに当事者研究を用いてアプローチするグループ「それが一 人のためだとしても」において在日及び日本人参加者に生じた体験のプロセス,そしてその体験を促した場の特 徴を,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M–GTA)を用いて分析し,在日に対する心理社会的支 援に示唆を与える実践知をつくりだすことにある。まず分析の結果,以下の3 点が明らかとなった。それは①在 日参加者の「大きな(社会歴史的な)物語」と「小さな(個人的な)物語」が統合されていく過程,②日本人参 加者が在日参加者という具体的な「他者」に出会いその問いかけに応えることにより変化していく過程,③それ らの変化を可能にしている場の性質である。また本分析の結果から,在日と日本人の対話において重要と思われ る3 つのコア概念を得ることができた。それは①人種に関する経験に対して意識的であること,②苦闘する生に 対する敬意,③応答しあう関係としての対話である。そこで総合考察では試論的に上記3 点を骨子とした新しい 対話実践「Respectful Racial Dialogue」を提案する。本研究は非常に限られたフィールドを対象にしているが,そ こにおける実践は,今後の在日のための心理社会的支援において,そして在日と日本人との対話において重要な 役割を果たす可能性を秘めていると考えた。

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