メタファーを通した災害復興支援における越境的対話の促進

書誌事項

タイトル別名
  • Metaphorical Thinking on Boundary Crossings in Disaster Revitalization
  • メタファーを通した災害復興支援における越境的対話の促進 : 新潟県小千谷市塩谷(しおだに)集落・復興10年のアクションリサーチから
  • メタファー オ トオシタ サイガイ フッコウ シエン ニ オケル エッキョウテキ タイワ ノ ソクシン : ニイガタケン オジヤシ シオヤ(シオ ダ ニ)シュウラク ・ フッコウ 10ネン ノ アクションリサーチ カラ
  • Action Research on 10 Years of Activity at Shiodani Village, Ojiya, in Niigata, Japan
  • 新潟県小千谷市塩しお谷だに集落・復興10年のアクションリサーチから

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説明

本研究は,10 年にわたる災害復興のアクションリサーチを通じて,メタファーが当事者と外部支援者の越境的 対話を促進することを明らかにした。理論的観点としては特に語用論をもとに,実践及び研究のモードが移行す ることをメタファーの越境機能として位置づけた。2004 年の新潟県中越地震からの復興過程のアクションリサー チでは特に二つのメタファーが越境的対話を促進した。現地再建を希望した住民と断念した住民との間では,種 蒔きのメタファーが機能して,地域間交流の拠点の整備と活用がなされた。現地再建を決断した住民と外部支援 者の間では,学校のメタファーが機能して,被災経験の有無を越えて地域間交流が展開された。これらの動態に ついて,先行研究をもとに,復興過程に見られるメタファーの動態を6 段階の越境過程と照らし合わせた。その 際,メタファーを使用者ではなく解釈者の視点から取り扱ったところ,メタファーは越境的対話の現場において, まず活動の儀礼化をもたらし,続いて定式化が図られ,結果として言葉が生きることにより継続的な越境が前提 となることが明らかとなった。以上の議論をもとに,地域社会において人間関係が発展する可能性を高めようと する研究者の支援のあり方として,その場限りで「受ける言葉」ではなく,長きにわたり「響く言葉」を探求し 導入することを提案した。

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