痙縮治療におけるバクロフェン持続髄注(ITB)療法の臨床―GABA<sub>B</sub>受容体からの考察―

  • 村上 雅二
    熊本託麻台リハビリテーション病院脳神経外科
  • 後藤 真一
    ごとう脳神経外科・痛みのクリkyo Mediニック
  • 國徳 尚子
    熊本託麻台リハビリテーション病院脳神経外科
  • 平田 好文
    熊本託麻台リハビリテーション病院脳神経外科

書誌事項

タイトル別名
  • Treating patients with severe spasticity with intrathecal baclofen: The role of GABA<sub>B</sub> receptors

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説明

<p>脳卒中,脳性麻痺,重症頭部外傷などによる亜急性期あるいは慢性期の重症痙性麻痺に対するバクロフェン持続髄注(ITB)療法は確立した治療法である.バクロフェンは,脊髄後角に多く分布するGABAニューロンのGABAB受容体に結合し抗痙縮効果を示す.GABAB受容体はGタンパク質共役型受容体の一つで,薬剤耐性が出現することがある.主な機序として,Gタンパク質共役型受容体キナーゼサブタイプ4および5によるGABAB受容体の脱感作や,長期的なバクロフェン投与によるGABAB受容体の細胞内(ライソゾーム)での分解などとされる.対策として,高用量の長期投与を避け,痙縮増悪なければ可能な限りの減量が肝要と考える.また最近,ITB療法は抗痙縮効果に加え,特に重症頭部外傷時の発作性交感神経過活動(高熱など)にも有効とされる.我々の施設の57症例(59植込み)を振り返りITB療法の効果と問題点につきレビューする.</p>

収録刊行物

  • 自律神経

    自律神経 58 (1), 152-159, 2021

    日本自律神経学会

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