書誌事項
- タイトル別名
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- What Media Are Used by Junior High School Students for Home Learning in 2019
- 2019年,中学生は家庭学習でどのようなメディアを利用していたのか : 「新型コロナウイルス」前に実施したウェブ調査とデプスインタビュー調査から
- 2019ネン,チュウガクセイ ワ カテイ ガクシュウ デ ドノ ヨウ ナ メディア オ リヨウ シテ イタ ノ カ : 「 シンガタ コロナウイルス 」 マエ ニ ジッシ シタ ウェブ チョウサ ト デプスインタビュー チョウサ カラ
- From a Web Survey and an In–Depth Interview Conducted before the Spread of Coronavirus
- 「新型コロナウイルス」前に実施したウェブ調査とデプスインタビュー調査から
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抄録
NHK放送文化研究所の調査から、学校現場ではデジタルメディアの利用が進む様子がみてとれるが、もうひとつの学習の場である家庭ではどのようなメディアを使って学習が行われているのか。2019年秋~冬、中学生の家庭学習におけるデジタルメディアの利用に焦点をあて、中学生とその母親を対象に行ったウェブ調査とデプスインタビュー調査の結果を報告する。 ウェブ調査では、家庭学習を行っている中学生のうち、その半数以上が家庭学習でデジタルメディアを利用していた。スマートフォン、タブレット端末、パソコンの利用が多く、英語(英単語の検索や音声教材など)、総合的な学習の時間や社会(いずれも検索サイトでの調べものや資料動画の閲覧)でよく利用されていた。ただ、家庭学習の教材としては、教科書や参考書などの紙媒体の利用の方が多かった。 また、家庭学習でデジタルメディアを利用している中学生は、利用していない中学生よりも、勉強へのやる気が高く、自分が理解できるように工夫していて成績も良いこと、母親がデジタルメディアを利用した学習を推奨している家庭の中学生は、消極的な家庭の中学生よりもやる気が高いことが示された。 デプスインタビュー調査では、自分専用のスマートフォンを所有する中学生の全員が、英単語の検索など、辞典や事典がわりにスマートフォンを学習で利用していた。また、元教師や塾の講師が説明する「授業動画」は、理解できるまで繰り返し視聴するなど、好評だった。 今回の調査は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う一斉休校前に実施したが、デジタルメディアとの親和性が高いと推察されるウェブ調査の対象者においても、そのすべてが家庭学習でデジタルメディアを利用しているわけではなかった。新型コロナウイルスの影響でオンライン学習へのニーズが高まる中で、デジタル機器を所有していない家庭が存在することなどもふまえ、学習格差が拡大しない配慮が求められる。
収録刊行物
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- 放送研究と調査
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放送研究と調査 70 (8), 36-69, 2020
NHK放送文化研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390569181327442688
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- NII論文ID
- 130008025930
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- NII書誌ID
- AA11207753
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- ISSN
- 24335622
- 02880008
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- NDL書誌ID
- 030581831
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可