アントラセン蛍光団を有するビスベンゾボロキソール型グルコースレセプター

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タイトル別名
  • Bis-Benzoboroxole-Type Glucose Receptor with Anthracene Fluorophore
  • アントラセン ケイコウダン オ ユウスル ビスベンゾボロキソールガタ グルコースレセプター

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抄録

<p>優れたグルコースレセプターとして知られているビスフェニルボロン酸アントラセンレセプター(bis-PBA-AN)の糖認識部位であるフェニルボロン酸(PBA)をベンゾボロキソール(BB)に置き換えたかたちのビスベンゾボロキソールレセプター(bis-BB-AN)を合成し,これらのレセプターのグルコース認識能をアリザリンレッドS(ARS)比色アッセイ法及び蛍光アッセイ法に基づき評価した.ARS比色アッセイ法で見積もったグルコースとの錯形成定数はbis-PBA-ANレセプターでは0.6 mol−1 L,bis-BB-ANレセプターでは30 mol−1 Lであり,BBのPBAよりも高いグルコース認識能を反映してbis-BB-ANレセプターの錯形成定数のほうが大きい.一方,蛍光アッセイ法で見積もったグルコースとの錯形成定数はbis-PBA-ANでは3600 mol−1 L,bis-BB-ANでは170 mol−1 Lでありbis-PBA-ANレセプターがbis-BB-ANレセプターより約20倍大きなグルコース認識能を示した.この結果は,bis-PBA-ANの優れた蛍光強度変化に基づくグルコース認識能が,グルコースと安定な錯体を形成する能力に依存するのではなく,グルコースとの弱い相互作用に伴う特異的な蛍光のスィッチング機構によるものであることを示唆している.</p>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 70 (3), 141-148, 2021-03-05

    公益社団法人 日本分析化学会

参考文献 (3)*注記

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