PIVKA-II高値を呈し切除に至った巨大肝細胞腺腫の1例

  • 髙橋 直規
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I
  • 神山 俊哉
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I
  • 折茂 達也
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I
  • 島田 慎吾
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I
  • 長津 明久
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I
  • 蒲池 浩文
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I
  • 三橋 智子
    北海道大学病院病理部/病理診断科
  • 武冨 紹信
    北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室I

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Huge Hepatocellular Adenoma with an Elevated Serum PIVKA-II Level Treated with Hepatectomy

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抄録

<p>症例は18歳の男性で,健診でのγ-GTP高値と近医での腹部超音波検査で肝外側区に巨大腫瘤を認め,当院を紹介受診した.Dynamic CTで肝外側区に動脈相で濃染され,平衡相で造影効果が遷延する最大径18 cmの腫瘤を認めた.PIVKA-IIは481 mAU/mlと高値であった.肝細胞腺腫(hepatocellular adenoma;以下,HCAと略記)を第一に考えたが,肝細胞癌の可能性も除外できず,破裂の危険性も鑑みて切除の方針とし,肝左葉切除を施行した.病理組織検査では,HCAと診断された.免疫染色検査では,CD34(+),SAA(+),β-catenin(−),L-FABP(−)でinflammatory typeと分類された.術後経過は良好であり,第7病日に退院した.若年男性の巨大肝腫瘤の鑑別診断としてHCAも念頭に置く必要があり,外科的切除は診断および治療に寄与すると考えられた.</p>

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参考文献 (27)*注記

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