エンドウ萎凋病菌の特異検出から見えてきたこと

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タイトル別名
  • The latest knowledge on the pea wilt pathogen, Fusarium oxysporum f. sp. pisi, and establishment of its specific detection method
  • シンポジウム エンドウ萎凋病菌の特異検出から見えてきたこと
  • シンポジウム エンドウイチョウビョウキン ノ トクイ ケンシュツ カラ ミエテ キタ コト

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抄録

エンドウ萎凋病菌F. oxysporum f. sp. pisiは種子伝染および土壌伝染する,我が国では植物防疫法に基づいて侵入を警戒されている病原菌である。しかしながら,2002年に愛知県での初発生後,一部地域からの発生報告は継続的で現在でも根絶事業が継続している。エンドウ萎凋病菌のrDNA IGS領域の塩基配列に基づく系統樹では,日本産萎凋病菌は3つのクレードを形成し,かつ,そのうち1クレードには海外産菌株も含まれ,海外から種子等とともに侵入したことが示唆された。また,エンドウ萎凋病菌が特異的に保持する病原性関連遺伝子(SIX6,SIX13,PDA)をターゲットしたPCR法およびLAMP法によってエンドウ萎凋病菌の特異検出法を確立した。また,日本産エンドウ萎凋病菌5菌株の全ゲノムをSMRTシーケンサーで解読,参照株(トマト萎凋病菌など)とのゲノム比較によって特異検出で用いた分子マーカー(SIX6,SIX13,PDA)が,いずれも,F. oxysporum株が共通して持つ,アクセサリー染色体と考えられる領域に座乗することを示した。

収録刊行物

  • 土と微生物

    土と微生物 75 (1), 2-5, 2021

    日本土壌微生物学会

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