身体活動を促進するポピュレーション戦略のエビデンスをいかに作るか?―ポピュレーション介入研究に関わる理論と枠組み―

  • 鎌田 真光
    独立行政法人国立健康・栄養研究所健康増進研究部 日本学術振興会

書誌事項

タイトル別名
  • Key issues for evidence-based population strategies in promoting physical activity: theories and frameworks of population health intervention research
  • シンタイ カツドウ オ ソクシン スル ポピュレーション センリャク ノ エビデンス オ イカニ ツクル カ? : ポピュレーション カイニュウ ケンキュウ ニ カカワル リロン ト ワクグミ

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抄録

<p>身体活動をポピュレーション(集団・地域)レベルで促進するにはどうしたらよいのか? 本稿では,その答え(エビデンス・科学的根拠)を導くポピュレーション介入研究を理解し,実施するために必要な理論と枠組みを概説する。身体活動促進のポピュレーション戦略については,個人レベルで身体活動を促進する方法論に比べて,研究の報告数や科学的知見が圧倒的に不足している。研究の実施にあたっては,より質の高い①デザイ ン・②介入内容・③評価項目を採用することが重要である。まず,デザインを検討するにあたっては,クラスター・ランダム化比較試験から事前事後評価デザインまで,多様な選択肢がある。また,介入自体の質を高めるための理論や枠組みとして,ソーシャル・マーケティングとネットワーク理論,生態学モデルなどが注目を集めている。いずれも,仮説(ロジック)を立て,適切に検証しながら進めることが重要である。介入の評価に関しては,社会的インパクトを評価するために,RE-AIMモデルの適用が有用である。大規模集団を対象に,低コストかつ小さなバイアスで身体活動を評価する方法の開発は今後の課題である。まずは,より多くの研究報告と優れた実践の集積が重要である。これらポピュレーション介入研究の成果をもとに,国や地方自治体等,さまざまな機関で質の高い取り組みが行われることが望まれる。</p>

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