出産後に再発・増悪を認め手術を施行した月経随伴性気胸の1例

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タイトル別名
  • A surgical case of recurrent and worsening catamenial pneumothorax triggered by childbirth

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抄録

<p>症例は36歳の女性.34歳時に月経後に右気胸を発症,以降毎月右気胸を繰り返していたがいずれも胸腔ドレナージは要さなかった.35歳時に妊娠後は気胸の発症なく経過,帝王切開で出産した.産後2日目に右気胸を発症,安静のみで経過観察していたが,産後7日目に増悪し胸腔ドレナージを施行した.産後30日目に手術を施行し,右肺上葉の臓側胸膜の肥厚および横隔膜に複数の小孔を認め,右肺上葉と横隔膜の部分切除を施行した.術後2ヵ月からジエノゲストの内服を行い,2年経過の現在も再発は認めていない.</p><p>本例は妊娠以前の月経時に複数回の気胸を併発しており,かつ手術時には明らかな肺囊胞を認めず,臨床的に月経随伴性気胸と診断した.妊娠中は気胸を認めず,産後は特有のホルモンの変化により再発症・増悪したと考えられた.本症の既往のある患者の産後には妊娠前よりも重度の気胸を発症する可能性を念頭に置く必要があると考えられた.</p>

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