大腸がんにおけるEMAST(Elevated Microsatellite Alterations at Selected Tetranucleotide repeats)

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抄録

わが国において大腸がんは20年間で倍増し,その対策は重要な課題である.大腸がんの発生進展機序として,ミスマッチ修復(mismatch repair: MMR)遺伝子異常に起因するマイクロサテライト不安定性(microsatellite instability: MSI)が,遺伝性大腸がんのみならず,非遺伝性大腸がんにも認められることが明らかとなった.現在,わが国のMSI検査は主に1塩基から2塩基反復マーカーを使用し,抗PD-1抗体のコンパニオン診断として保険収載されている.しかしながら,ゲノム上に存在する複製エラーは1塩基から2塩基反復配列のみならず1塩基から数塩基で生じることがある.そのため4塩基反復配列の複製エラーを検索するElevated Microsatellite Alterations at Selected Tetranucleotide repeats(EMAST)が新しいバイオマーカーとして注目されている.本稿では,大腸がんにおけるMMR遺伝子とMSIについてEMASTを中心に解説する.

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