消化管症状に乏しく診断に苦慮した小児クローン病の1例

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抄録

腹痛,下痢,血便の消化管症状に乏しく診断に苦慮した小児クローン病の1例を経験した.症例は11歳女児で,症状に乏しい原因不明のCRP高値が持続した.全身のCT検査で,回腸末端から上行結腸にかけて造影効果の増強および周囲リンパ節の腫大を認めた.腸間膜リンパ節炎として抗菌薬加療を行ったが,その後もCRP高値は持続した.腹痛,下痢,血便などの消化管症状はなかったが,便潜血検査の陽性を認め,炎症性腸疾患を疑った.大腸内視鏡検査を施行し,回腸末端から上行結腸にかけて縦走潰瘍・敷石像の所見があり,病理検査で類上皮肉芽腫を認め,小児クローン病と診断した.原因不明のCRP高値持続時には,消化管症状に乏しい場合も,小児クローン病を鑑別にあげる必要がある.

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