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- 柳原 良江
- 東京電機大学理工学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Transitions in Surrogacy: What is New and What Has Diversified
- ダイリ シュッサン ニ オケル ヘンセン : ナニ ガ アタラシク ナニ ガ タヨウ ナ ノ カ
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抄録
<p>代理出産とは,他者に妊娠・出産を依頼し,産まれた子を引き渡す契約を結び子を得る方法を指す.この方法はしばしば「新しい問題」とされるが,歴史的に見れば,東アジアで20世紀前半まで長らく行われた「契約出産」の一形態である.</p><p>近年,グローバルな市場を構築する代理出産は,1976年に米国人弁護士が発明した商品に端を発する.90年代に体外受精を用いた代理出産が用いられ始めると,親権裁判では,子との遺伝的・身体的な繋がりではなく「子を持つ意志」が優先され,子を持つ意志と経済力さえあれば誰でも子を持てるようになった.</p><p>代理出産で依頼者が求めるのは「近代家族」の形成である.代理出産は家族の多様化ではなく,近代家族を形成できる人々の多様化を引き起こした.したがって,代理出産で作られる家族は,均質な近代家族へと収束する.代理出産は,女性と子を危険に晒しながら,人々をより窮屈な家族観に閉じ込める装置となっている.</p>
収録刊行物
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- 家族社会学研究
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家族社会学研究 33 (1), 41-54, 2021-04-30
日本家族社会学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390569623318755200
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- NII論文ID
- 130008043825
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- NII書誌ID
- AN10092691
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- ISSN
- 18839290
- 0916328X
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- NDL書誌ID
- 031456705
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可