膀胱破裂が疑われた腹膜炎の1例

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タイトル別名
  • A Case of Bladder Rupture Due to Suspected That Presented with Peritonitis
  • ボウコウ ハレツ ガ ウタガワレタ フクマクエン ノ 1レイ

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説明

<p>症例は神経因性膀胱の既往がある48歳女性。来院2日前に発熱を認め,他院を受診し,内服処方されたが症状改善しなかった。来院当日に膿尿かつ腹部膨満を認め,SpO2 77%,血圧測定不能のため救急搬送された。来院時は循環不全で,炎症所見高値かつ急性腎障害を呈し,CTで腹水多量かつ腸管全体が拡張し壁肥厚を認めたが,消化管穿孔を示唆する所見は認めなかった。腹腔穿刺で黄褐色調に混濁した腹水を認め,腹膜炎による敗血症性ショックと判断し,第1病日に手術を施行した。腹水は混濁していたが消化管穿孔は認めなかった。膀胱壁は凸凹で壁が肥厚しており,慢性炎症を示唆するような所見であった。腹水検査でBUN 128mg/dL,Cre 23.13mg/dL,術翌日の急激な腎機能障害の改善,尿と腹水培養で大腸菌であり,腹膜炎の原因として膀胱破裂が疑われた。病状再燃なく,第33病日に退院した。急性腎障害を呈する腹水を伴った腹膜炎は膀胱破裂の可能性も念頭に置いて腹水検査も施行すべきである。</p>

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