新型コロナウィルス感染症流行時に市町村保健センターが抱えた課題

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  • Issues faced by municipal health centers during the new coronavirus disease (COVID-19) pandemic
  • シンガタ コロナウィルス カンセンショウ リュウコウジ ニ シチョウソン ホケン センター ガ カカエタ カダイ

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抄録

<p>背景・目的 保健所と並び、市町村保健センターは公衆衛生活動の第一線機関であるが、新型コロナウィルス感染症の感染拡大時において市町村保健センターが抱えた保健活動への影響は明らかにされていない。そのため、新型コロナウィルス感染症拡大時において市町村保健センターが抱えた課題について整理することを目的とした。</p><p>方法 全国の市区町村の健康増進部門1,741ケ所宛てに、郵送自記式質問紙調査を実施した。新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い生じた課題について、自由記載で回答を求めた。得られた回答について質的帰納的に分析した。</p><p>結果 1,270ケ所から有効回答が得られた(有効回答率72.9%)。課題は【経験のない感染症の急速な拡大に伴う課題】【感染症の発生下での保健センター業務遂行に伴う課題】【終わりの見えない緊急事態の継続に伴う課題】【疾患の性質に伴い生じる倫理的な課題】の4つに整理された。</p><p>考察 新興感染症の感染拡大は、市町村に市町村保健センターが設立されて以降、初めての事象であること、感染拡大が急速であったこと、市町村には感染症のパンデミックを想定した計画がないことなどが課題につながったと考えられた。今後は感染症の拡大時における市町村保健センターの役割も含めた対応策の検討が必要である。</p>

収録刊行物

  • 日本健康開発雑誌

    日本健康開発雑誌 42 (0), 77-83, 2021-06-16

    一般財団法人 日本健康開発財団

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